―壱―
夜もふけ、カンナ村のほとんどが寝静まった中で、リキチの家にはまだ灯りがともっていた。
「状況が変わったとは・・・どういう事だ、エイスケ殿」
カンベエは目の前に置かれた木の人型を手に取り問いかける。
向かい合うエイスケの目に、怒気を孕んだ色があるのに気付いてじっと言葉を待った。
「・・・・・・・件の・・・」
一度目を伏せてから、エイスケはただ静かに口を開き、それからかもう一度カンベエを見据える。
「件の一派の首謀者、ドーマそして今回暗躍しているリカには、万象の理を説いた師が居る。その男こそ、先程その人型を使い傀儡(クグツ)を送り込んできた者・・・セイメイ。我々の間では、ドーマやリカ以上に危険視される者の一人だ」
ぎり・・・、と膝の上にのせていた拳を強く握りながら、彼はそれでも平静を保って説明した。
今度はそれを見たサノスケが、彼の隣に腰をおろすと代わりに口を開いた。
「そのセイメイって野郎が今回からんできた訳だがな、コイツのやり口が自分の手は汚さずにアキンドみてェに物質欲の強い有権者の懐に取り入って利用する・・・・ってなモンでよ。・・・・厄介な奴だろ?」
「アキンドを利用するとなると・・・野伏せりにも関わってくるやもしれぬ、か・・・」
エイスケとサノスケの話を聞いて、カンベエは顎鬚を触りながら呟く。
その場にいるサムライ全員、カツシロウとキクチヨを除いた者達はそれぞれに考え込んだ。
少しずつでも書いてかなきゃ・ね?PR